「ベッドを置ける場所は、窓の真横しかありませんでした」。世田谷区のマンション3階で、寝室の上下2段の窓(段窓)を含む4か所に、内窓(今ある窓の内側に取り付ける、もう一枚の窓)を設置しました。窓から床へ落ちてくる冷えをやわらげ、枕元が過ごしやすくなった事例です。
ご相談内容
| 建物種別 | マンション(3階) |
|---|---|
| エリア | 東京都世田谷区 |
| 施工箇所 | 内窓4か所(寝室2か所・洋室1か所・リビングダイニング1か所) 寝室の2か所は、上下2段に並んだ1つの窓(段窓)です。 |
| お悩み | ・寝室の間取り上、ベッドを窓の真横に置くしかない ・冬は、床近くまである下段の窓から、枕元にひんやりした空気が流れてくる ・洋室は、厚手のカーテンを閉めても窓まわりが冷える ・リビングダイニングは、暖房をつけても窓ぎわだけ寒い |
| ご要望 | ・ベッドの位置はそのままで、枕元の冷えをやわらげたい ・上下に分かれた寝室の窓にも、対策ができるか知りたい ・補助金を使って、冬が来る前に窓をまとめて見直したい |
施工前の状況
お客様がいちばん困っていたのは、寝室です。窓が上下2段に分かれ、床近くまで続いています。部屋の広さと扉の位置から、ベッドを置ける場所は窓の真横しかありませんでした。
「窓を避けて寝たくても、動かす場所がない」。冬になると、そのことがいちばんの悩みになっていました。
寝室|段窓の上段
施工前の寝室。エアコンの下に、段窓の上段があります上段の窓は、高さが約1mあります。外側には、羽根板が並んだ格子が付いています。冬の夜は、このガラスの表面が外の冷たさでどんどん冷えていきます。
寝室|段窓の下段(ベッドの横)
施工前の段窓の下段。ベッドのすぐ横にあります下段の窓は、床からすぐの高さにあります。ちょうど、寝ているときの頭の横です。
冬の夜中や明け方、枕元にすうっと冷たい空気が流れてきます。「顔だけ寒くて目が覚める」こともあったそうです。布団を厚くしても、顔のまわりの冷たさは変わりませんでした。
洋室|縦長の窓
施工前の洋室の縦長の窓洋室の窓は、幅より高さのある縦長の窓です。冬は厚手のカーテンに替えて、閉め切って過ごしていました。
それでも、カーテンの裾から冷たい空気が床へ流れてきます。「カーテンを閉めているのに、足元が寒い」。お客様が不思議に感じていた点です。
リビングダイニング|横長の窓
施工前のリビングダイニングの横長の窓リビングダイニングの窓は、幅が約1.5mあります。窓の先は隣家の屋根で、さえぎるものがありません。
ガラスの面が大きいぶん、冷える面も大きくなります。暖房の設定温度を上げても、窓ぎわにいると寒い。部屋の真ん中と窓ぎわで、体感がまるで違っていました。
窓の冷えは「下」にたまる
冬の窓ガラスは、外の冷たさで表面が冷えています。ガラスに触れた室内の空気は冷やされ、重くなって床へ落ちていきます。窓で冷やされた空気が床へ流れ落ちるこの現象を「コールドドラフト」と呼びます。
段窓は、上段と下段をあわせると、縦に長いガラス面になります。上段で冷やされた空気が、下段の前を通って床へ落ちていく。その通り道に、ちょうど枕元がありました。
ご提案内容・使用商品
ご提案したのは、寝室の段窓の上段・下段を含む4か所への内窓の設置です。すべて同じ商品・同じガラス・同じホワイトの枠でそろえています。
| 設置場所 | 商品 | サイズ(W×H) | ガラス仕様・色 |
|---|---|---|---|
| 寝室 (段窓の上段) |
YKK AP 内窓 ウチリモ 引違い2枚建て Sグレード・Sサイズ 無目材あり |
940×1,060mm | LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm 透明ガラス/ホワイト |
| 寝室 (段窓の下段) |
YKK AP 内窓 ウチリモ 引違い2枚建て Sグレード・Sサイズ |
940×695mm | LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm 透明ガラス/ホワイト |
| 洋室 (縦長の窓) |
YKK AP 内窓 ウチリモ 引違い2枚建て Sグレード・Sサイズ |
762×1,062mm | LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm 透明ガラス/ホワイト |
| リビングダイニング (横長の窓) |
YKK AP 内窓 ウチリモ 引違い2枚建て Sグレード・Sサイズ |
1,540×962mm | LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm 透明ガラス/ホワイト |
※「無目材(むめざい)」は、上下2段の窓の境目に渡す横長の部材です。
内窓のしくみ|ガラスと空気の層で、窓の冷たさを室内に伝えにくくする
内窓は、今ある窓をそのまま残し、室内側にもう一枚の窓を足す工事です。壁や床を壊すことはありません。
今回の内窓は、ガラス2枚の「複層ガラス」です。2枚のあいだには、12mmの空気の層があります。さらに、既存の窓と内窓のあいだにも空気の層ができます。空気は熱を伝えにくいので、外の冷たさが室内側まで届きにくくなります。
2枚のうち1枚は「Low-E(ロー・イー)ガラス」です。表面に薄い金属の膜がついたガラスで、熱を伝えにくくする働きがあります。また、内窓の枠が既存の窓のすき間をふさぐので、外の冷たい空気が入り込む通り道も減ります。
上下2段の窓(段窓)にも、内窓は付けられます
「上下に分かれた窓には、内窓は付けられないのでは」。お客様は、最初そう考えていたそうです。
今回は、上段と下段に1つずつ内窓を作り、そのあいだに「無目材」を渡しました。無目材は、上下の窓の境目に入れる横長の部材です。上段の内窓と下段の内窓を、すき間なくつなぐ役目をします。
内窓は既製品を当てはめるのではなく、窓ごとに採寸して製作します。そのため、段窓のように形が特殊な窓にも合わせられます。
正直にお伝えしたいこと
段窓の形は、お宅ごとに違います。上下のあいだの枠の幅や、窓まわりの奥行きによって、取り付け方や仕上がりの形が変わります。どの段窓にも同じ方法が使えるとはかぎりません。取り付けの可否も含めて、現地で採寸したうえでご提案します。
床ぎわの冷えに、内窓が効く理由
内窓を付けると、室内側にあるガラスが外の冷たさで冷えにくくなります。ガラスが冷えにくければ、そこで冷やされて床へ落ちる空気も少なくなります。
カーテンは、冷えたガラスの手前で空気をさえぎるものです。内窓は、ガラスそのものを冷えにくくする側です。冷えを止める順番が「窓 → カーテン」に変わります。カーテンが不要になるわけではなく、あわせて使うことで効きが上がります。
施工内容とBefore→After
寝室|段窓の上段
After 上段にホワイトの内窓を設置。下に無目材が入っています上段には、高さ1,060mmの内窓を設置しました。内窓の下側に見える白い横長の部分が、無目材です。ここで上段と下段の内窓をつないでいます。
エアコンはそのままで、窓の内側に取り付けています。外側の格子にも手を加えていません。
寝室|段窓の下段(ベッドの横)
After 上段・下段がそろって内窓になりました下段にも内窓を付け、段窓全体が上から下まで内窓でおおわれました。上段で冷やされた空気が下段の前を落ちてくる、その流れが小さくなります。
ベッドの位置は、以前のままです。それでも、明け方に枕元がひやっとする感じがやわらいだそうです。「寝る場所を変えずに済んだのがいちばんうれしい」とのことでした。
洋室|縦長の窓
After 縦長の窓に合わせて内窓を設置幅762mmの縦長の窓に合わせて、内窓を作りました。カーテンレールもそのまま使えています。
カーテンの裾から流れてくる冷たい空気が、気になりにくくなりました。カーテンは今も使っています。窓とカーテンの両方で冷えを止める形になりました。
リビングダイニング|横長の窓
After 幅約1.5mの窓に内窓を設置大きな窓の冷たさが室内に伝わりにくくなり、窓ぎわと部屋の真ん中の差が小さくなりました。暖房の設定温度を上げすぎなくても、過ごせる日が増えたそうです。
夏は反対に、窓から入る熱をやわらげる働きをします。1年を通して効く工事です。
費用・工期・補助金
| 施工箇所 | 内窓4か所(寝室2か所・洋室・リビングダイニング) |
|---|---|
| 工事金額 合計 | 324,500円(税込) 製品・施工費・無目材の取付・搬入費を含みます |
| 工期 | 4時間 ※現場の状況・搬入経路により変わります。壁や床を壊さない工事のため、部屋が長期間使えなくなることはありません。 |
| 補助金(想定額) | 国/先進的窓リノベ事業 112,000円 都/クールネット東京 72,000円 合計 184,000円 |
| 自己負担(想定額) | 140,500円 |
※補助金の制度名・内容・補助額・受付期間は年度ごとに変わります。
※区市町村の補助金は、自治体によって有無・金額・条件が異なります(本件のお見積りには含まれていません)。
※国・都の補助金の申請は、荒井硝子が代行いたします。
補助金の想定額は合計184,000円で、工事金額の半分以上にあたります。自己負担は、総額の4割ほどに収まる見込みです。
お客様の声
寝室は、ベッドを窓の横に置くしかない間取りです。冬は顔のまわりだけ寒くて、夜中に目が覚めることがありました。窓のせいだとは分かっていても、ベッドを動かす場所がなかったんです。
上下に分かれた窓なので、内窓は無理だと思い込んでいました。現地で採寸してもらって、上と下の両方に付けられると聞いたときはほっとしました。仕上がりも、もとからこういう窓だったように自然です。
寝る場所を変えずに、枕元のひやっとした感じがやわらいだのがいちばんです。補助金の手続きまでお任せできたのも助かりました。
よくある質問
Q1. 上下2段に分かれた窓(段窓)にも、内窓は付けられますか?
A. 多くの場合、付けられます。今回は上段と下段に1つずつ内窓を作り、境目に「無目材」という横長の部材を渡しました。ただし、段窓の形や窓まわりの奥行きによって、取り付け方が変わります。可否も含めて、現地で採寸してからご提案します。
Q2. 内窓を付ければ、窓ぎわの冷えはなくなりますか?
A. なくなるわけではありません。「やわらぐ」という変わり方です。ガラスが冷えにくくなるので、窓で冷やされて床へ落ちる空気が少なくなります。真冬の夜は、暖房やカーテンとあわせて使うことで、より効きが上がります。
Q3. 窓の前にベッドや家具があっても、工事できますか?
A. 作業には、窓の前にスペースが必要です。窓の前にある小物などは、事前に移しておいていただけると作業がスムーズです。ベッドなど大きな家具の移動が必要な場合は、下見の際にご相談ください。作業中は床や周りを養生し、片づけまで自社で行います。
Q4. マンションでも工事できますか?管理組合への申請は必要ですか?
A. 内窓は室内側に取り付けるため、建物の外観は変わりません。そのため、比較的進めやすい工事です。ただし、工事の届け出が必要かどうかは建物ごとに違います。管理規約の確認や、申請に必要な書類のご用意もお手伝いします。
Q5. 補助金の申請は、自分で行う必要がありますか?
A. 国・都の補助金は、荒井硝子が申請を代行します。制度の内容や補助額は年度ごとに変わり、予算の上限に達すると受付が終了します。お住まいの区市町村の制度も含めて、最新の条件をご案内しますので、お気軽にご相談ください。
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冬の窓ぎわの冷え、窓から見直せます
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