カーテンやブラインドは、8か所すべての窓に付いていました。それでも夏は暑く、冬は窓ぎわが冷える。できる対策はやり尽くした、というのがご相談のきっかけです。原因は、熱が止まる「位置」にありました。今回は1階から3階まで、窓8か所に内窓を設置しています。
ご相談内容
| 建物種別 | 一軒家(3階建て) |
|---|---|
| エリア | 東京都練馬区 |
| 施工箇所 | 内窓8か所(1階寝室3か所/2階リビング2か所/3階洋室3か所) この記事では、そのうち4か所をご紹介します。 |
| お悩み | 厚手のカーテン、木製ブラインド、レースのカーテンと、窓まわりの対策は8か所すべてに入れてある。それでも夏は窓ぎわが暑く、冬は足元が冷える。これ以上やることが思いつかなかった。 |
| ご要望 | 今あるカーテンやブラインドはそのまま使いたい。小さい窓も含めて家じゅうまとめて手を入れたい。使える補助金があれば活用したい。 |
施工前の状況
1階が寝室、2階がリビング、3階が洋室という3階建てのお住まいです。窓は全部で8か所。そのすべてに、カーテンかブラインドが付いていました。高さ30cmほどの細長い窓にまで、丈を合わせたカーテンがかかっています。窓まわりでできることは、すでにやり尽くされている状態でした。
寝室(1階)|掃き出し窓
施工前|寝室(1階)の掃き出し窓。厚手のカーテンが掛かっています。お子さまが眠る部屋の窓です。厚手のカーテンを閉めていても、窓ぎわの空気は外の気温に引っぱられます。夏は寝つくころに暑く、冬は明け方に冷える。エアコンのタイマーを切ると、しばらくして元に戻ってしまう状態でした。
寝室(1階)|床ぎわの横長窓
施工前|床のすぐ上にある、高さ30cmほどの横長窓。この窓にもカーテンが用意されています。床のすぐ上に、細長い窓が横に伸びています。同じ寝室の天井ぎわにも、同じ形の窓がもう1か所ありました。この高さの窓にまで、丈を合わせたカーテンがかかっています。窓まわりの対策としては、ここまでやれば十分なはずでした。
それでも、この窓のそばは夏に暑く、冬にひんやりします。暖まった空気は上へ、冷えた空気は下へ動くので、天井ぎわと床ぎわはちょうどその空気がたまる場所です。窓としては小さくても、体感に関わりやすい位置にあります。
リビング(2階)|掃き出し窓
施工前|2階リビングの掃き出し窓。レースのカーテンが掛かっています。ご家族が集まる2階のリビングです。この階には大きな窓が2か所あり、もう1か所には木製ブラインドが入っています。日ざしの強い時間帯はブラインドを下ろして、まぶしさと熱をやわらげてこられました。
それでも、窓の面積の合計がそのまま冷暖房の負担になります。エアコンの設定温度を下げても効きが追いつかない、という体感の理由がここにありました。
洋室(3階)|腰高窓
施工前|3階洋室の腰高窓。隣家の屋根を見下ろす位置にあります。3階の洋室です。窓のすぐ外に、隣のお宅の屋根が広がっています。屋根や壁は日中にため込んだ熱を出すので、直射日光が当たらない時間帯でも窓ぎわが暑くなります。3階は屋根にも近く、家の中でいちばん熱がこもりやすい階でした。
この部屋の窓にもカーテンが付いています。閉めればまぶしさは消えますが、部屋の暑さそのものは残ったままでした。
カーテンを閉めているのに暑い、という状態の正体
カーテンやブラインドは、部屋の内側にあります。つまり、外の熱はカーテンの手前にあるガラスを、もう通り抜けています。カーテンが受け止めているのは「入ってきた熱」で、入り口そのものは開いたままです。だから、閉めればまぶしさは消えるのに、暑さだけが残ります。対策が足りなかったのではなく、熱が止まる位置の問題でした。
ご提案内容・使用商品
今回は、既存の窓はそのまま残し、その内側にもう1つ窓を足す「内窓」をご提案しました。壁も床も壊さない工事です。8か所すべてに同じ商品を使い、枠の色は室内になじむダークブラウンでそろえています。今お使いのカーテン・ブラインドは、これまでどおり使えます。
| 設置場所 | 商品 | サイズ(W×H) | ガラス仕様 |
|---|---|---|---|
| 寝室(1階)|掃き出し窓 | YKKAP㈱ ウチリモ ダークブラウン |
1,144×1,999 | LowE透明5mm+空気層10mm+透明3mm |
| 寝室(1階)|床ぎわの横長窓 | YKKAP㈱ ウチリモ ダークブラウン |
1,600×301 | LowE透明5mm+空気層10mm+透明3mm |
| リビング(2階)|掃き出し窓 | YKKAP㈱ ウチリモ ダークブラウン |
1,601×1,800 | LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm |
| 洋室(3階)|腰高窓 | YKKAP㈱ ウチリモ ダークブラウン |
1,648×1,301 | LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm |
上記は、この記事でご紹介する4か所です。実際の工事は同じ商品で計8か所に行っています。ガラスはすべて透明ガラスです。
内窓のしくみ|「ガラスの枚数」と「すき間」の2つが変わります
内窓は、今ある窓の内側にもう1つ窓を取り付ける工事です。既存の窓は外したり削ったりしません。
変わることは2つあります。1つ目は、ガラスと空気の層が増えることです。今回の窓は2枚のガラスを組み合わせた複層ガラスで、あいだに空気の層があります。既存の窓のガラス1枚と合わせると、窓全体ではガラスが合計3枚、空気の層が2つになります。熱は空気の層を通るときに伝わり方がゆるやかになるので、外の暑さ・寒さが室内に届きにくくなります。
2つ目は、すき間がふさがることです。年数のたったサッシは、レールや召し合わせ(左右の建具が重なる部分)にわずかなすき間ができています。断熱は「熱がゆっくり伝わるようになる」話ですが、すき間は「外の空気がそのまま入ってくる」話です。カーテンでは、このすき間は塞げません。体感として先に効くのは、こちらのほうです。
今回のガラスには、2枚のうち1枚にLow-E(ローイー)という金属の膜が付いています。ごく薄い膜なので見た目はふつうの透明ガラスとほとんど変わりませんが、日ざしの熱も伝わりにくくなります。
熱が止まる「位置」が変わります
夏の熱がどこで止まるのかを、順番に見ていきます。
これまで:外の熱 → ガラスを通過 → カーテン・ブラインドで受け止める → それでも部屋の空気は暖まっている
内窓を入れたあと:外の熱 → 内窓のガラスと空気の層で大きく減る → 残った分をカーテン・ブラインドが受け止める
順番が「窓 → カーテン」に変わります。入り口でほとんどを止めてから、残りをカーテンが受け持つ形です。冬も同じ考え方で、外へ逃げる熱を先に窓で止めます。
カーテンが要らなくなるわけではありません
内窓を入れても、カーテンやブラインドは今までどおり使っていただきます。まぶしさをやわらげる役目や、部屋の見た目を整える役目は変わりません。変わるのは、熱を止める順番だけです。「内窓を入れればカーテンは不要」といった説明はしません。今あるものを外す必要はなく、そのまま残していただけます。
小さい窓まで含めて、家じゅうまとめて
今回は8か所を一度に施工しました。高さ30cmほどの細長い窓も含めています。内窓は既製のサイズから選ぶものではなく、窓ごとに採寸して作るので、細長い窓にも、床ぎわの窓にも、天井ぎわの窓にも取り付けられます。
熱の出入りはガラスの面積に比例するため、小さい窓は後回しにされがちです。ですが部屋の中に残った1か所は、そこだけが弱い場所として残ります。今回のように1部屋の窓をすべて手当てすると、窓ぎわの体感がそろいます。
3階建てのお住まいは、暖まった空気が上の階へ上がり、冷えた空気が下へ落ちてきます。1つの階だけ手を入れても家全体の温度差は残りやすいので、階をまたいでまとめて施工しました。費用の面でも、補助金は窓1か所ごとに金額が決まる制度なので、箇所数が増えるほど補助の総額が大きくなります。今回は8か所で600,000円(想定額)でした。
また、一軒家は管理組合への確認・申請が要りません。マンションでは窓が共用部分として扱われるのが一般的で、工事の前に確認が必要になります。戸建ては、そのぶん家じゅう一括の工事に踏み切りやすいという違いがあります。
できないこともあります(正直にお伝えします)
どんなに小さい窓でも付く、というわけではありません。製品として製作できる最小の寸法があり、それを下回る窓は内窓を作れないことがあります。また、補助金の制度側にも対象となるサイズの条件があり、窓が小さすぎると補助金の対象外になる場合があります。取り付けの可否も、対象になるかどうかも、現地で採寸してからのご案内になります。
施工内容とBefore→After
既存の窓の内側に、内窓を取り付ける枠を組んでから建具を入れていきます。壁も床も壊しません。既存の窓はそのまま残るので、これまでどおり開け閉めできます。
寝室(1階)|掃き出し窓
After|内側にダークブラウンの内窓を設置。カーテンはそのまま使えます。ガラスと空気の層が増え、サッシまわりのすき間もふさがりました。窓ぎわの空気が外の気温に引っぱられにくくなるので、エアコンで整えた温度が保ちやすくなります。就寝中に設定温度を上げ下げする回数が減った、というお声をいただいています。
カーテンレールは既存のまま残しています。内窓は窓枠の内側に収まるので、カーテンの開け閉めにも干渉しません。
寝室(1階)|床ぎわの横長窓
After|窓の形に合わせて製作した内窓。この窓は「もう対策のしようがない」と思われていた場所でした。カーテンはすでに掛かっていたので、次に手を入れられるのは窓そのものだけです。同じ寝室の天井ぎわの窓にも同じ内窓を入れているので、部屋の上と下、両方の熱の出入り口がふさがりました。
窓ぎわの床がひんやりする感じ、天井付近に熱がたまる感じの両方が和らいでいます。細長い窓は建具も軽く、開け閉めの動作はこれまでと大きく変わりません。掃除のときは、内窓の建具を外して拭くこともできます。
リビング(2階)|掃き出し窓
After|内窓を設置。枠色は室内に合わせたダークブラウンです。面積の大きい窓は、そのぶん熱の出入りも大きくなります。リビングは2か所とも内窓を入れているので、部屋全体として冷房の効きが変わりました。エアコンが「効いた状態」に届くまでの時間が短くなり、そのあとの温度も保ちやすくなります。
もう1か所の窓に入っている木製ブラインドも、そのまま使っていただいています。ブラインドの役目はまぶしさの調整に絞られ、熱の受け持ちは窓側に移りました。
枠の色は、室内の建具や床の色に近いダークブラウンを選びました。白い枠は部屋によっては浮いて見えることがありますが、今回は色をそろえたことで、あとから足したという印象が出ていません。
洋室(3階)|腰高窓
After|内窓を設置。3階は洋室3か所すべてに入れています。3階は洋室の3か所すべてに内窓を入れました。屋根や隣家の壁から出る熱は、日が傾いてからも続きます。この熱はまぶしさを伴わないので、カーテンを閉めても気づきにくいまま入ってきます。窓のガラスが直接その熱を受けなくなったことで、夕方以降の部屋の落ち着き方が変わりました。
3階まで手を入れたことで、下の階から上がってきた熱の行き止まりがなくなりました。家じゅうを一度に施工する意味は、こうした階をまたぐ動きにあります。
「カーテンも遮熱シートも試したけれど、暑い」
その場合、次に手を入れられるのは窓そのものです。
創業68年・自社施工の荒井硝子が、採寸から補助金の申請までお手伝いします。
費用・工期・補助金
| 施工箇所 | 内窓8か所(1階寝室3・2階リビング2・3階洋室3) |
|---|---|
| 工事金額 合計 | 831,600円(税込) 製品・施工費・搬入費を含みます |
| 工期 | 5時間 ※現場の状況・搬入経路により変わります。壁や床を壊さない工事のため、部屋が長期間使えなくなることはありません。 |
| 補助金(想定額) | 国/先進的窓リノベ事業2025 362,000円 都/クールネット東京 238,000円 合計 600,000円 |
| 自己負担(想定額) | 231,600円 |
※補助金の金額は、お見積り時点の想定額です。確定額ではありません(窓1か所ごとの定額ではなく、サイズや性能によって金額が変わります)。
※制度の名称・内容・補助額・受付期間は年度ごとに変わります。予算の上限に達した時点で受付が終了する制度です。
※区市町村の補助金は自治体ごとに有無も金額も条件も異なります。今回のお見積りには含まれていません。
※荒井硝子では、補助金の申請を代行しています。ご自身で手続きしていただく必要はありません。
お客様の声
窓のことは、自分なりにやってきたつもりでした。厚手のカーテンに替えて、リビングにはブラインドも入れて、細長い窓にも丈を合わせたカーテンをあつらえて。それでも夏は暑いままで、これ以上どうすればいいのか分かりませんでした。
相談したときに「熱はカーテンの手前でもう入っています」と説明していただいて、ようやく腑に落ちました。対策が足りなかったのではなく、場所が違ったということですよね。カーテンを外さなくていいと聞いて、それも安心しました。
工事のあとは、窓のそばに立ったときの感じが明らかに違います。3階も、以前は夕方に入ると空気が重い感じがしていましたが、それがなくなりました。8か所いっぺんは迷いましたが、補助金のことも全部お任せできたので、結果的にまとめてよかったです。
よくある質問
Q1. 今のカーテンやブラインドは外すことになりますか?
外す必要はありません。内窓は窓枠の内側に収まるので、カーテンレールやブラインドはそのまま残せます。役割が変わるだけです。これまではカーテンが熱を受け止めていましたが、これからは窓が先に止め、残った分をカーテンが受け持ちます。まぶしさの調整や部屋の見た目のために、引き続きお使いください。
Q2. 遮熱シートや遮熱フィルムでは足りませんか?
ガラスに貼るタイプは、カーテンより手前で日ざしを受け止めるので、まったく効かないわけではありません。ただし、サッシのすき間から入ってくる空気には効きません。また、ガラスの種類によっては貼れないものもあります(中に金網が入った網入りガラスは、熱割れのおそれがあるため一般的に不可とされています)。お使いの窓に何が向くかは、現地で拝見してからご説明します。
Q3. 高さが30cmほどしかない窓にも、内窓は付けられますか?
多くの場合は取り付けられます。内窓は窓ごとに採寸して製作するので、細長い窓、床ぎわの窓、天井ぎわの窓にも対応できます。ただし製品として製作できる最小の寸法があり、それを下回る場合は取り付けできません。また、窓が小さすぎると補助金の対象外になることもあります。可否は現地で採寸してからのご案内になります。
Q4. 家じゅうまとめてやるべきですか。1部屋だけでも意味はありますか?
1部屋だけでも効果はあります。内窓の効果はその部屋の中で完結するので、暮らす時間の長い部屋から始める進め方は現実的です。一方で、階をまたぐ温度差まで整えたい場合は、まとめて施工するほうが変化を感じやすくなります。補助金も窓1か所ごとに計算されるため、箇所数が増えるほど総額が大きくなります。ご予算に合わせて、優先順位をつけたお見積りもお出しできます。
Q5. 一軒家の場合、工事前に必要な手続きはありますか。補助金は必ず受け取れますか?
一軒家は、マンションのような管理組合への確認・申請が不要です。ご自身のご判断で進められます。補助金は審査を経て金額が確定するため、お見積りの段階では想定額です。制度の内容・補助額・受付期間は年度ごとに変わり、予算の上限に達すると受付が終了します。申請は荒井硝子が代行しますので、お客様に書類を作成していただく必要はありません。
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