千代田区のマンション4階。冬に加湿器をつけると、翌朝の窓がびっしょり濡れていました。お客様は窓拭きを減らすため、加湿器を弱めて過ごしていました。リビング・洋室・玄関の窓7か所に内窓を付け、結露を小さくした事例です。玄関の小さな窓にまで付けた理由をご紹介します。
ご相談内容
| 建物種別 | マンション(4階) |
|---|---|
| エリア | 東京都千代田区 |
| 施工箇所 | 内窓7か所(リビング・洋室・玄関ほか) 引き違い窓5か所+開かない窓(FIX窓)2か所 この記事では、そのうち4か所をご紹介します。 |
| お悩み | ・加湿器をつけると、翌朝の窓がびっしょり濡れる ・窓拭きを減らすため、加湿器をいつも弱めにしていた ・弱めにすると部屋が乾き、朝起きるとのどがカラカラ ・玄関の小窓の枠に、黒い点々が出てきた |
| ご要望 | ・窓のことを気にせず、加湿器を使いたい ・朝の窓拭きを減らしたい ・外階段に面した玄関の冷えもやわらげたい ・白い壁になじむ枠にしたい |
施工前の状況
お住まいは、ご家族それぞれの部屋が並ぶ間取りです。どの部屋も、窓は黒いアルミのサッシにガラス1枚。冬は、部屋ごとにエアコンの暖房と加湿器を使っていました。
お客様がいちばん困っていたのは、寒さそのものではありませんでした。「加湿したいのに、加湿できない」ことです。加湿器を強めると、そのぶん窓が濡れる。乾燥と結露のどちらかをがまんする冬が、毎年続いていました。
リビング|掃き出しの引き違い窓
施工前|バルコニーに出る、リビングの大きな窓家族が集まるリビングの、いちばん大きな窓です。夜、加湿器をつけたまま寝ると、朝にはガラス一面が水滴でくもっていました。水滴は下へ流れ、サッシの下のレール(窓が動く溝)に水がたまります。
「毎朝タオルで拭くのが面倒で、加湿器の目盛りを下げるようになったんです。でも下げると、今度は朝のどがカラカラで」とお客様。冬のあいだは、加湿器の目盛りと窓の濡れ具合を見比べるのが日課になっていたそうです。
洋室|本棚の横の縦長の窓
施工前|本棚のすぐ横にある、縦長の窓本棚のすぐ横にある、縦に長い窓です。窓ぎわには、本がぎっしり並んでいます。
この部屋では、加湿器をほとんど使っていませんでした。窓の下に水がたまると、本棚のほうへ湿気が回るのが心配だったからです。部屋の乾燥は、そのまま「がまん」していました。
洋室|エアコンの下の腰高窓
施工前|エアコンの下にある、腰の高さの窓コンパクトな洋室にある、腰の高さの窓です。部屋が小さいぶん、加湿器をつけるとすぐに湿度が上がります。
そのため、ほかの部屋より先に窓がくもり始めました。白い窓台(窓の下の棚板)には、朝になると水が小さな水たまりになっていたそうです。
玄関|外階段に面した小窓
施工前|すりガラスの、開かない小窓玄関にある、すりガラスの小窓です。開け閉めはできません。窓の外は、建物の外にある共用の階段です。
玄関は暖房のない場所なので、冬は家の中でいちばん冷えます。この小窓の枠には、いつのまにか黒い点々が出ていました。お客様は「部屋で加湿しているのに、なぜ玄関が?」と不思議に思っていたそうです。
加湿できる量は、窓が決めていた
結露は、暖かく湿った空気が、冷たいものにふれて水に戻る現象です。冷たいグラスの外側に水滴がつくのと同じしくみです。
ガラス1枚の窓は、外の冷たさがそのまま室内側に伝わります。だから加湿すればするほど、窓に水滴がつきます。窓が冷たいかぎり、加湿できる量には「上限」があったのです。
そして湿気は、家の中でいちばん冷たい場所に集まります。外階段に面し、暖房もない玄関の小窓に黒い点々が出たのは、そのためです。
ご提案内容・使用商品
ご提案したのは、今ある窓の内側にもう1つ窓を付ける「内窓」です。引き違い窓5か所と、開かない窓2か所。7か所すべてに、白い壁になじむホワイトの枠で設置しました。
| 設置場所 | 商品 | ガラス仕様・色 |
|---|---|---|
| リビング|掃き出しの引き違い窓 | YKK AP 内窓 ウチリモ 2枚建て引き違い窓 |
LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm ホワイト |
| 洋室|本棚の横の縦長の窓 | YKK AP 内窓 ウチリモ FIX窓 |
LowE透明3mm+アルゴンガス12mm+透明3mm ホワイト |
| 洋室|エアコンの下の腰高窓 | YKK AP 内窓 ウチリモ 2枚建て引き違い窓 |
LowE透明3mm+空気層12mm+透明3mm ホワイト |
| 玄関|外階段に面した小窓 | YKK AP 内窓 ウチリモ FIX窓 |
LowE透明3mm+アルゴンガス12mm+透明3mm ホワイト |
上記は、この記事でご紹介する4か所です。実際の工事は、同じ商品で計7か所に行っています。
内窓が結露に効く理由|室内側のガラスが冷えにくくなる
内窓は、今ある窓はそのままに、室内側にもう1つ窓を足す工事です。壁や床は壊しません。結露に効く理由は、大きく2つです。
① 室内側のガラスが、外の冷たさから離れる
今ある窓とあわせると、外と室内のあいだにガラスが3枚、空気(またはガス)の層が2つできます。層が外の冷たさをさえぎるので、部屋の空気にふれる内窓のガラスは冷えにくくなります。ガラスが冷たくなければ、湿気は水に戻りにくくなります。
② 冷えやすいアルミの枠が、部屋の空気にふれなくなる
アルミは熱をよく伝える金属です。冬はガラスより先に冷えて、枠にも水滴がつきます。内窓の枠は熱を伝えにくい樹脂製です。冷たいアルミの枠は、内窓の向こう側に隠れます。
LowE(ローイー)は、ガラスの表面にごく薄い金属の膜をつけたガラスです。部屋の暖かさが外へ逃げにくくなります。
正直にお伝えしていること
内窓を付けても、結露が「ゼロ」になるわけではありません。結露は「小さくなる」ものです。
出にくくなる場所…部屋の空気にふれる、内窓のガラスと枠。
出ることがある場所…加湿しすぎたときの内窓のガラス。冷え込みの強い朝の、内窓と今の窓のあいだ。
加湿器は「いくらでも強くしてよい」ものにはなりません。湿度計を置いて、部屋の湿度を見ながら使うことをおすすめしています。
開かない窓と、玄関の小窓にも付けた理由
本棚の横の窓と玄関の小窓には、開け閉めしない「FIX窓(はめ殺しの窓)」タイプの内窓を付けました。
開かない窓でも、ガラス1枚なら外の冷たさをそのまま通します。リビングだけ対策すると、冷たい窓がほかの場所に残ります。湿気は、家の中でいちばん冷たい窓に集まります。せっかく加湿しても、その窓で水に戻ってしまうのです。
とくに玄関の小窓は、外階段の冷たい空気に面しています。暖房もないので、家じゅうでいちばん冷えやすい窓でした。ここに内窓を足すと、玄関まわりの冷え込みもやわらぎます。
ガラスのあいだには、空気より熱を伝えにくいアルゴンガスが入っています。小さな窓でも、冷えにくさをしっかり確保できる仕様です。
施工内容とBefore→After
リビング|掃き出しの引き違い窓
After|ホワイトの内窓「ウチリモ」を設置大きな掃き出し窓に、2枚建ての引き違いの内窓を設置しました。バルコニーへの出入りは、内窓と今の窓を順に開けるかたちになります。
いちばん変わったのは、加湿器をつけて寝た翌朝の窓です。ガラス一面をくもらせていた水滴が、ほとんど見られなくなりました。加湿器の目盛りを下げることも、なくなったそうです。
冷え込みの強い朝は、内窓の奥の、今の窓のガラスにうっすら水滴がつくことがあります。この点は、ご提案の段階からお伝えしていました。
洋室|本棚の横の縦長の窓
After|縦長の窓を、1枚のFIX窓でまるごと覆いました縦に長い窓を、開かないタイプの内窓1枚でまるごと覆いました。左右に付いた取っ手で、ガラスのあいだを掃除するときは取り外せるつくりです。
窓の下に水がたまらなくなり、この部屋でも加湿器を使えるようになりました。「本の湿気を気にしなくてよくなったのが、地味にうれしい」とお客様。
洋室|エアコンの下の腰高窓
After|窓台の上に、内窓の枠がすっきり納まりました窓台の奥行きを生かして、内窓の枠を納めました。内窓は既製品を選ぶのではなく、窓ごとに採寸して製作します。小さな窓でも、形に合わせてぴったり作れます。
部屋が小さく湿度が上がりやすい部屋ですが、窓台の水たまりはほとんど見られなくなったそうです。加湿器を使う時間を気にしなくてよくなりました。
玄関|外階段に面した小窓
After|玄関の小窓にも、同じホワイトの内窓を設置すりガラスの小窓にも、開かないタイプの内窓を付けました。白い枠が、玄関の壁の色になじんでいます。
外階段の冷たさが、玄関に伝わりにくくなりました。冬の朝、靴をはくときのひんやり感がやわらいだそうです。家じゅうの窓をそろえたことで、湿気が1か所に集まりにくくなりました。
費用・工期・補助金
| 施工箇所 | 内窓7か所(リビング・洋室・玄関ほか) |
|---|---|
| 工事金額 合計 | 842,600円(税込) 製品・施工費・搬入費を含みます |
| 工期 | 8時間 ※現場の状況・搬入経路により変わります。壁や床を壊さない工事のため、部屋が長期間使えなくなることはありません。 |
| 補助金(想定額) | 国/先進的窓リノベ2025 344,000円 都/クールネット東京 226,000円 合計 570,000円 |
| 自己負担(想定額) | 272,600円 |
※この見積りは「先進的窓リノベ2025」での試算です。制度の名称・内容・補助額・受付期間は年度ごとに変わり、予算の上限に達すると受付が終了します。
※区市町村の補助金は、自治体ごとに有無・条件が異なります(本件のお見積りには含まれていません)。
※国・都の補助金の申請は、荒井硝子が代行いたします。
お客様の声
冬は乾燥がつらいのに、加湿器を強くすると朝の窓がびしょびしょになる。毎年その繰り返しでした。窓を拭くのが面倒で、結局いつも目盛りを下げていました。のどの乾きは、冬だから仕方ないと思っていました。
内窓を付けてからは、朝の窓拭きがほとんどなくなりました。加湿器も、部屋に合った強さで使えています。冷え込んだ朝に奥の窓が少しくもることはありますが、それは最初に聞いていたとおりです。
意外だったのは玄関です。黒い点々の原因が、部屋の湿気と冷たい小窓だったとは思いませんでした。玄関まで一緒にお願いしてよかったです。
よくある質問
Q1. 内窓を付けると、結露はまったくなくなりますか?
まったくなくなるわけではありません。結露は「小さくなる」ものです。部屋の空気にふれる内窓のガラスは冷えにくくなりますが、加湿しすぎれば内窓にも水滴がつきます。冷え込みの強い朝は、内窓と今の窓のあいだがくもることもあります。
Q2. マンションでも工事できますか?管理組合への申請は必要ですか?
内窓は室内側に取り付けるため、建物の外観は変わりません。そのため、比較的進めやすい工事です。ただし、工事の届け出が必要かどうかは建物ごとに違います。管理規約の確認や、申請に必要な書類のご用意もお手伝いします。
Q3. 内窓を付けたら、加湿器はどのくらい使ってよいですか?
窓を気にして弱めていた分は、使いやすくなります。ただし、加湿器を強くするほど結露しやすくなるしくみは変わりません。湿度計を置いて、部屋の湿度を見ながら調整するのがおすすめです。
Q4. 玄関の小さな窓や、開かない窓にも内窓は付けられますか?
付けられます。内窓は窓ごとに採寸して製作するので、縦長の窓や小さな窓にも合わせられます。開かない窓用の内窓は、ガラスのあいだを掃除するときに取り外せるつくりです。ただし、製作できる最小のサイズがあるため、可否は現地で採寸してからご案内します。
Q5. 窓が2つになると、ガラスのあいだにカビが生えませんか?
内窓の気密材(すき間をふさぐゴムなどのパーツ)が、部屋の湿気がガラスのあいだへ入るのを抑えます。それでも冷え込みの強い朝は、奥の窓がくもることがあります。くもった日は、内窓を開けて乾かしてください。お手入れのしかたは、お引き渡しのときにご説明します。
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