ご相談内容
| 建物種別 | 一軒家 |
|---|---|
| エリア | 東京都新宿区 |
| 施工箇所 | 内窓2か所(2階洋室|バルコニー側の掃き出し窓・2階洋室|横長の腰高窓) |
| お悩み | ・好きな音楽を聴くとき、外に漏れていないかが気になって音量を上げられない ・音を気にして窓を閉め切ると、今度は部屋が暑くなる ・冷房を強くしても、窓ぎわだけ暑さが残る ・機材を長く動かしていると、部屋の熱が下がらなくなる ・寒い時期は窓台に水滴がつき、窓ぎわに置いた紙もの(ディスクのケース・冊子)が気がかり |
| ご要望 | ・室内で好きな音楽を、気がねなく楽しめる部屋にしたい ・部屋の中の機器やラックを、できるだけ動かさずに工事したい ・壁や床を壊す大がかりな工事は避けたい ・補助金が使えるなら申請も含めてお願いしたい |
施工前の状況
2階の洋室2か所には、大きさの違う窓が付いていました。片方はバルコニーに出られる掃き出し窓、もう片方は横に長い腰高窓です。どちらもアルミのサッシに1枚ガラスで、ガラス面に手を近づけると外の暑さ・冷たさがそのまま伝わってくる状態でした。
窓は、家の中で音がいちばん通りやすい場所でもあります。壁には厚みと重さがありますが、窓は1枚のガラスと、建具と枠のわずかなすき間でできています。音楽を聴くときに窓が気になるのは、感覚としてとても正確です。
洋室|バルコニー側の掃き出し窓
施工前:バルコニーに面した大きな掃き出し窓。すぐわきに機器を置いたラックがあります。この部屋でいちばん面積の大きい窓です。日中は長く日ざしが当たり、2階は階下の熱も上がってくるため、午後になると窓ぎわの空気が暖まります。エアコンの風は届いていても「窓のそばだけ暑い」という状態が続いていました。音を出すときはこの大きな窓が気になり、結局は閉め切ったまま冷房を強める、という使い方になっていたそうです。
洋室|横長の腰高窓
施工前:幅はあるものの高さの低い、横長の腰高窓。窓台に物を置いている位置です。幅1,638mm・高さ838mmの横長の窓です。掃き出し窓と比べると「小さい窓」に見えますが、幅は掃き出し窓とほとんど変わりません。窓の下には窓台があり、物を置く場所になっています。寒い時期はこの窓台に水滴がつくことがあり、置いたものに湿気が回るのが気がかりでした。
この部屋には「外から入る熱」のほかに、「中で生まれる熱」があります
アンプやプレーヤーのような機器は、動いているあいだ自分でも熱を出します。エアコンは、部屋に入ってきた熱と、部屋の中で生まれた熱の両方を外に運び出す機械です。窓から入る熱が多い部屋では、その分だけエアコンの手が取られ、機器まわりの熱を下げるところまで回りません。「冷房を強くしても追いつかない」という体感は、機械の力不足ではなく、運び出す量が多すぎることで起きています。音のために窓を閉め切る部屋なら、なおさら入ってくる量を減らす意味が大きくなります。
ご提案内容・使用商品
既存の窓はそのまま残し、その内側にもう1枚の窓を取り付ける「内窓」をご提案しました。ガラスは、断熱と防音の両方に効く異厚(いこう)複層ガラスの組み合わせです。2か所とも同じ仕様でそろえています。
| 設置場所 | 商品 | サイズ(W×H) | ガラス仕様 |
|---|---|---|---|
| 洋室|バルコニー側の掃き出し窓 | YKK AP(株) 内窓 ウチリモ 引違い2枚建て Sグレード・Mサイズ/枠:ナチュラル |
1,635×1,696mm | Low-E透明5mm+アルゴンガス層10mm+透明3mm 透明ガラス/厚さの違う2枚を組み合わせた異厚複層ガラス |
| 洋室|横長の腰高窓 | YKK AP(株) 内窓 ウチリモ 引違い2枚建て Sグレード・Sサイズ/枠:ナチュラル |
1,638×838mm | Low-E透明5mm+アルゴンガス層10mm+透明3mm 透明ガラス/厚さの違う2枚を組み合わせた異厚複層ガラス |
内窓のしくみ|ガラスが3枚、あいだの層が2つになります
内窓は、今ある窓を取り外さず、その内側にもう1枚の窓を足す工事です。今回の場合、窓はこういう構成になります。
既存のガラス1枚 + あいだの空気の層 + 内窓のガラス2枚(そのあいだにアルゴンガスの層)
→ ガラス合計3枚・層は2つ
熱を運びにくいのは、じつはガラスそのものよりもあいだの層です。空気やガスは、金属やガラスに比べて熱を伝えるのがゆっくりなので、層が増えるほど外の暑さ・冷たさが室内側に届きにくくなります。今回のガラスは2枚のうち1枚にLow-E(ローイー)と呼ばれる金属の膜がついていて、日ざしの熱も伝わりにくくなります。あいだの層に入っているアルゴンガスは、空気よりもさらに熱を伝えにくい気体です。見積書の表記はSグレードで、ウチリモの中でも断熱性の高い組み合わせにあたります。
もうひとつ、体感として先に効くのがすき間です。長く使ったサッシは、建具と枠のあいだにわずかなすき間ができています。そこからは外の空気がそのまま入ってきますし、音も同じ道を通ります。内窓を入れると、その前にもう1枚のふたができるので、空気と音の通り道がふさがります。「断熱」よりも先に感じられるのは、たいていこちらです。
今回のガラスは「異厚複層ガラス」|断熱と防音を一度に受け持ちます
今回のガラスは、5mmと3mmという厚さの違う2枚を組み合わせた異厚(いこう)複層ガラスです。同じ厚さのガラスを2枚重ねると、じつは音に弱い部分が残ります。
ものには、それぞれ「揺れやすい音の高さ」があります。ワイングラスの横で特定の高さの声を出すと、グラスが共鳴して鳴るのと同じことです。同じ厚さのガラスを2枚使うと、2枚とも同じ高さの音で揺れやすいため、その音だけが通り抜けやすくなります。厚さを変えておくと、2枚の揺れやすい音の高さがずれるので、片方が揺れてももう片方が受け止めます。結果として、特定の音だけがすり抜ける弱点が出にくくなります(メーカー資料による)。
音楽のように高さの幅が広い音を室内で楽しむ部屋では、この「弱点を作らない」という考え方がそのまま効いてきます。しかも今回の組み合わせは、Low-E膜とアルゴンガスによって断熱の面でも上位の仕様です。音のために選んだガラスが、そのまま夏の暑さ・冬の冷えにも効く——これが異厚複層ガラスを選んだ理由です。
音の効き方は、正直にお伝えします
音は小さくなりますが、無音にはなりません。効きやすいのは話し声や楽器の音のような高めの音で、低音の「ズン」と響くような音は残りやすいです。低い音は空気だけでなく、床や壁そのものを揺らして伝わるためです。
また、音の通り道は窓だけではありません。壁・床・天井・ドアからも伝わります。窓は家の中でいちばん音が通りやすい場所なので変化を感じやすいのですが、「窓を替えれば完全に遮れる」とはお伝えしていません。音量を気にする度合いが下がる——目指すのはそこです。
「閉め切ると暑い」の板ばさみが、同じ工事で解けます
音が気になって窓を閉め切る、閉め切ると部屋が暑くなる。この2つは別々の悩みに見えますが、手を打つ場所は同じ窓です。内窓は、音の通り道をふさぐと同時に、熱の入口もふさぎます。だから片方を我慢する必要がなくなります。
エアコンには、1時間に運び出せる熱の量に限りがあります。その持ち分を窓から入ってくる熱に多く使ってしまうと、部屋の中の機器が出した熱を下げるところまで手が回りません。窓の入口をふさぐと、同じエアコンでも中の熱に使える余力が増えます。設定温度を下げずに済んだり、風量が上がりっぱなしにならなかったりするのは、この余力の差です。
できること・できないこと
内窓で減らせるのは、窓から入ってくる熱と、すき間から出入りする空気と音です。機器そのものが出す熱が減るわけではありません。機器のまわりに風の通り道をつくる、ラックの背面をふさがない、といった置き方の工夫は今までどおり必要です。
また、窓のすき間がふさがる分、空気の入れ替えはこれまでより意識して行ってください。換気は、窓を開けるか換気設備で行うものです。内窓は「窓を開けなくてよくなる工事」ではありません。
窓ぎわの湿気|ガラスが冷えにくくなると、水滴が出にくくなります
寒い時期に窓ガラスが濡れるのは、空気中の水蒸気が冷たいガラスに触れて水に戻るからです。冷たいコップの表面に水滴がつくのと同じ理屈です。水滴が出るかどうかは「室内の湿気の量」と「ガラスの表面温度」の組み合わせで決まります。
内窓を入れると、室内側に面するガラスが外の冷たさから切り離されるため、表面温度が下がりにくくなります。その結果、水滴が出にくくなり、窓台が濡れる回数も減ります。窓ぎわに紙のケースや冊子を置いている部屋では、湿気の影響を受ける時間が短くなることが、そのまま「置いたものを守る」ことにつながります。
結露はゼロにはなりません
室内の湿気の量が多ければ、内窓を入れても水滴は出ます。洗濯物の部屋干し、開放型のストーブ、加湿器の使い方によっても変わります。「出にくくなる」「出る量が減る」とお考えください。言い切らないぶん、実際の効き方とのずれが小さくなります。
施工内容とBefore→After
既存の窓はそのまま残し、窓枠の内側に内窓用の枠を組んで取り付けます。壁も床も壊さないので、斫(はつ)りの音や粉じんが出ません。2か所とも同じ仕様の内窓で、枠色は木の色合いに近い「ナチュラル」を選んでいます。
洋室|バルコニー側の掃き出し窓
After 内窓(ウチリモ/Sグレード・枠:ナチュラル)を設置。既存の窓は残したままです。改善された点
面積のいちばん大きい窓がふさがったことで、音量を上げたときの「外に漏れていないか」という気がかりが小さくなりました。窓ぎわに立ったときの「もわっとした感じ」も弱くなり、部屋の中の温度差が縮まっています。閉め切ったまま音楽を聴いても部屋が暑くなりにくいので、音と暑さのどちらかを我慢する必要がなくなりました。ラックを窓から離す必要もなく、レイアウトは変えずに済んでいます。
洋室|横長の腰高窓
After 同じ仕様の内窓を設置。窓台まわりの空気と音の出入りがふさがります。改善された点
窓台の近くに手を近づけたときの空気の動きが分かりにくくなりました。すき間から入ってくる空気が減ったためです。寒い時期の窓台の濡れも出にくくなり、窓ぎわに物を置いたままにできる時間が長くなりました。熱も音も、出入りはガラスの面積に大きく左右されます。小さく見える窓でも、幅が広ければ面積は大きくなります。大きい窓だけを直すと、残った窓から出入りが続いて体感が変わりにくくなるため、今回はこの窓も一緒に工事しました。
費用・工期・補助金
| 施工箇所 | 内窓2か所(洋室|バルコニー側の掃き出し窓・洋室|横長の腰高窓) |
|---|---|
| 工事金額 合計 | 253,000円(税込) 製品・施工費・搬入費を含みます |
| 工期 | 2時間 ※現場の状況・搬入経路により変わります。壁や床を壊さない工事のため、部屋が長期間使えなくなることはありません。 |
| 補助金(想定額) | 国/先進的窓リノベ事業 72,000円 都/クールネット東京 47,000円 合計 119,000円 |
| 自己負担(想定額) | 134,000円 |
・制度の名称・内容・補助額・受付期間は年度ごとに変わります。予算の上限に達すると受付が終了します。
・区市町村の補助金は自治体ごとに有無も金額も条件も違います。今回の見積りには含まれていません。
・補助金の申請は当社で代行いたします。必要な書類や写真の撮影も、工事の中で対応します。
・補助金は断熱性能にもとづく制度です。防音は制度の対象ではありませんが、今回のように断熱の仕様を選んだ結果として防音にも効く組み合わせがあります。
お客様の声
音楽を聴く部屋なので、まず防音の相談から入りました。「無音にはなりません」「低い音は残ります」と先に言われたのが、かえって信用できました。そのうえで、厚さの違うガラスを組み合わせると弱点が出にくい、という説明が分かりやすかったです。
エアコンの買い替えも考えていたのですが、「機械の力が足りないのではなく、入ってくる量が多いんです」と言われて納得しました。防音のために選んだガラスが断熱の上位グレードでもあると聞いて、迷いがなくなりました。
工事の日は窓ぎわの機材だけ移動をお願いされましたが、それ以外はそのままで済みました。壁を壊さないので音も粉じんも出ず、思っていたより静かに終わりました。
いまは、閉め切っても部屋が暑くなりにくいので、音量のことばかり考えずに音楽を聴けています。小さいほうの窓も一緒にやって正解でした。補助金の書類もお任せできて助かりました。
よくある質問
Q1. 内窓を入れれば、音を気にせず音楽を楽しめますか?
音は小さくなりますが、無音にはなりません。窓が2枚になってあいだに層ができること、すき間が減って音の通り道がふさがること、さらに今回のように厚さの違うガラスを組み合わせることで、特定の高さの音だけがすり抜ける弱点が出にくくなります。ただし低音の響きは残りやすく、音は床・壁・天井・ドアからも伝わります。目指すのは「完全に遮る」ことではなく、音量を気にする度合いを下げることです。どの程度まで求めるかによって、窓以外の対策が必要になる場合もあります。
Q2. 「異厚複層ガラス」は、防音のための特別なオプションですか?
追加の特別工事ではなく、ガラスの組み合わせの選び方です。同じ厚さのガラスを2枚使うと、2枚とも同じ高さの音で揺れやすく、その音が通り抜けやすくなります。厚さを5mmと3mmのように変えておくと、揺れやすい音の高さがずれるため、弱点が出にくくなります。今回はこの組み合わせにLow-E膜とアルゴンガスが加わっているので、断熱の面でも上位の仕様(見積書の表記はSグレード)です。防音を目的に選んだガラスが、そのまま夏の暑さ・冬の冷えにも効くことになります。どの組み合わせが向いているかは、窓の大きさや目的によって変わりますので、現地でご相談ください。
Q3. 精密な機器を置いている部屋ですが、工事で粉じんは出ませんか?
内窓は既存の窓枠を土台にして取り付けるため、壁や床を壊しません。コンクリートを砕くときのような音と粉じんは出ない工事です。ただし、窓ぎわに置いた機器やラックは、作業の安全のため工事の日だけ移動をお願いすることがあります。移動が難しいものがある場合は、事前の現地調査のときにお知らせください。養生と工事後の片づけは当社で行います。
Q4. 内窓を入れると、窓の開け閉めが2回になりますか?
はい、なります。窓が2枚になるので、開けるときは内窓と既存の窓の両方を動かすことになります。そのため内窓は、ふだんあまり開けない窓ほど相性がよい工事です。毎日出入りする窓では、この手間が気になることがあります。その場合は、既存の窓ごと入れ替える「窓カバー工法」という選び方もあります。こちらは窓が1つのままなので、開け閉めは今までどおり1回です。ただし音の面では、窓が2枚になる内窓のほうが有利です。窓の使い方と目的で選び分けます。
Q5. 小さいほうの窓は、後回しでもよかったのでは?
熱や音の出入りは、ガラスの面積に大きく左右されます。今回の横長の窓は高さこそ低いものの、幅は掃き出し窓とほとんど同じでした。大きい窓だけを直すと、残った窓から出入りが続くため、部屋全体の体感が変わりにくくなります。また、補助金は窓1か所ごとに計算されるため、同じ部屋でまとめて工事したほうが補助の総額も大きくなります。どの窓から手をつけるかは、ご予算と使い方に合わせてご提案します。
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音と暑さ、どちらも我慢しない部屋にできます
「音が気になって閉め切る」「閉め切ると暑い」——その板ばさみは、窓ひとつで解けることがあります。
採寸・お見積りは無料です。補助金の申請も代行いたします。
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